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続・夫婦別姓問題

2017年11月17日、朝日新聞デジタルで、

『ソフトウェア会社「サイボウズ」(東京)の青野慶久社長(46)らが来春、国を相手に裁判を起こす準備を進めている。
日本人と外国人の結婚では夫婦別姓を選べるのに、日本人同士だと同姓しか選べないという戸籍法の「法の不備」を突く訴訟になるという。』
と報じられました。
以前、夫婦別姓について記事を書いたので、この件をネタに追加してみます。

まずこの記事を読んで?と思ったのが「日本人と外国人の結婚では夫婦別姓を選べる」という点です。
ネットで調べてみればすぐわかるのだけど、結論から言うと 「日本人と外国人の結婚では夫婦別姓を選べる」のではなく、 「日本人と外国人の結婚では夫婦別姓が原則」というのがホントのところです。 ただ、結婚後6ヶ月以内に日本人側が外国人と同じ姓を名乗るために改姓の手続きをする場合、 本来、家庭裁判所を通じて煩雑な手続きするところを、役所の簡易な手続きだけですむ配慮がされています。
改姓は、外国人と結婚した人だけが出来るとかではなく、日本人なら誰でも行うことが出来る手続きです。
一方で、外国人側が日本人と同じ姓を名乗りたいとなった場合、外国人の姓は日本の法律の管轄外なので、 母国の法律に従って手続きすることになりますが、変更の証明書を日本で提出することにより 正式に日本人側の姓を名乗ることができるようです。
改姓した姓がその外国人の本名になるのだから、当然といえば当然です。
別姓で結婚するが、その後結婚の制度とは別の制度の手続きで同姓になることが可能ということを 単純に「夫婦別姓を選べる」と表記しているのに違和感を感じました。
以前の記事でも書いたと思いますが、家長父制度(嫁に来た女性を家族と認めず、姓を名乗らせない制度)を夫婦別姓制度として例える、 夫婦別姓を望む人達が行う作為的な情報提供のパターンです。

法律に関しては素人なので実際はどうなるかわかりませんが、この裁判、 戸籍を持たない(持てない)外国人と日本人の結婚と戸籍のある日本人同士の結婚を比較すること自体間違いだと思うし、 外国人と日本人の結婚で制度上別姓になるが、その後の改姓手続で同姓にできることを持ち出したところで、 ホントに「法の不備」を突いているのでしょうか?

強いて言えば、法の不備は、制度上別姓となる外国人と日本人の結婚で、 同姓にできる手続きが存在しているにも関わらず、それを強制していないところではないでしょうか? (強制する意味がありませんが・・・。意味が無いからわざわざ強制していないのだと思いますが。)

そもそも結婚とは何かを考えてみると、 夫婦別姓制度の話で、結婚の手続きで夫婦同姓にすることを法律で決めているのは日本ぐらいだといわれていますが、 「結婚」と一言で言っても「夫婦になること」以外に、各国それぞれの歴史や文化に伴って法的な制度に違いがあります

例えば提出書類が煩雑で面倒くさく、そのため利用する人が少なく事実婚が多い国(自治体)、
逆に結婚許可証を発行してもらえば、後は公認の牧師が結婚式を上げてもらうだけで結婚できちゃう国(自治体)、
中には結婚の公示を行い異議がないかを確認する国(自治体)もあるそうです。
そんな特徴がある中で日本には結婚の手続きで、世界でも非常に珍しい戸籍制度(今でも運用されているのは日本くらいらしい)が関わってきます

戸籍とはその家に属する人のリストで、それぞれの名前、生年月日、父、母、続柄が記録されています。
記録されているのは「名前」であって「氏名」ではないところに注目です。
なぜ、氏が記載されていないのかは、戸籍が家に属する人のリストだからです。 家に属する人は同じ氏(姓)なので、記載する必要が無いのです。 そういう制度の元で戸籍は作られていて、その戸籍を用いて結婚の手続きが行われます。

この時点で、夫婦別姓という制度が、戸籍の制度に当てはまらないことがわかります。
(以前の記事では不改姓婚を提案してしまいましたが、改めて戸籍について調べた結果、それは論外なようです。)

夫婦別姓を求める声に、夫の姓に変えると夫の家に入るみたいで嫌だという感情論で別姓を求める声があるようですが、 実際は、結婚すると夫婦で新しい戸籍が作られます。夫や妻の実家の籍に入ることはありません。 それどころか、それぞれの家の籍からは除籍されます
夫婦で新しい家族を作るなんて表現されますが、まさにその通りで、戸籍上でも実家の籍から抜けて夫婦で新しい籍がつくられるのです。 娘が結婚すると、嫁にやるなんて言いますが、戸籍の視点だと、娘も息子も結婚して家(戸籍)を出る手続きをしている事になるのです。

この制度を維持したまま夫婦別姓を実現しようとすると、夫と妻で別々の籍を持つことになるんでしょうか?
外国人との結婚のように配偶者欄にだけ夫は妻、妻は夫の名前を書くとかになるんでしょうか?
生まれた子供は名乗る姓でどちらかの籍に入れる?結婚関係を証明するためには互いの戸籍を取り寄せ照会する?
それで成り立つんでしょうか??というかこんなこと許したら戸籍が乱立してしまうし、そもそも家族の証明である戸籍の概念が・・・となってしまいます。
なら、戸籍内に別の姓を持つ人を加えることはできないのでしょうか?
鈴木家の戸籍に 佐藤 花子 と氏名で登録される漢字でしょうか?生まれてきた子供も一人は鈴木姓で、一人は佐藤…。
これもやはり戸籍の概念が…。というか、そこまで大きなシステム変更を行うならもはや戸籍制度廃止論が浮上してしまいますね。
そもそも、戸籍制度は東南アジア地域に広く存在した制度ですが、形骸化、廃止が続き、2008年に韓国で廃止され残っているのは日本くらいだとか…。
実際、戸籍の役割は住民票と重複する点が多いようですが、それでも親族関係や結婚関係など身分関係を証明できる唯一の記録で相続に欠かせない証明書ではあるようです。

余談ですが〜
2017/9/19 15:49 日本経済新聞電子版で

『上川陽子法相は19日、全国の市区町村が扱う戸籍事務にマイナンバー制度を導入するため、 法制審議会(法相の諮問機関)に戸籍法改正を諮問した。 婚姻届の提出やパスポート(旅券)の発給申請で必要だった戸籍謄本などの戸籍証明書の添付が不要となり、利便性は高まる。 法務省は法制審の審議を経て、2019年の通常国会で戸籍法改正案の提出を目指す。』
と報じられていました。便利になるのはうれしいですが、
ただでさえなかなか目にすることのない戸籍で、なんのためのものなの、それ必要なの?
と言われている感じがするのですが、ますます影を潜めてしまいそうですね。 存在感がない=不要という意識が生まれるので心配です。

結局、日本における結婚とは、夫婦で新戸籍を作ることであり、その戸籍は同一姓でなくてはいけない。 つまり日本では根本的に夫婦別姓で結婚できるような制度にはなっていないということです。
それなら、これを根本的に制度改正する(結婚の制度を0から組み直す?)か、 この制度はこのまま、夫婦別姓とみなせる制度を付加するかになると思います。
で、現実もう40年近くも夫婦別姓は実現しておらず、結婚後も旧姓を利用し続けることで、凌いでいる人たちがいるわけです。 その旧姓を利用するなかで困るのが、通称名(旧姓を利用した氏名)が公的に証明しにくいことのようです。
免許証と名前が違うとか、銀行口座を旧姓で利用できないとか。
しかしこれは、結婚の制度など、行政の問題ではなく、社会的なルールの問題です。
旧姓は戸籍によって証明することができるので、旧姓の公的証明自体は可能となります。 (旧姓のまま放置していた銀行口座での手続きで要求されます。)
問題はその利用を社会が容認できるようになっていないことです。
そういった流れを受けてか、ついに、毎日新聞2017年9月13日で、

『政府が女性活躍を後押しするために、結婚前の旧姓名義を使った預貯金口座を開設できるよう柔軟な対応を銀行業界に要請している。 不正利用防止の観点から、旧姓名義口座に対して積極的でない銀行も多かったが、 夫婦別姓が議論されるなど旧姓使用に対しての社会的な機運が高まっており、業界は姿勢を変えつつある。 政府は7月、全国銀行協会に対して可能な限り円滑に旧姓口座が開設できるよう求めた。 預貯金口座だけでなく、マイナンバーカードやパスポートに旧姓を併記できるようにする計画だ。』
と報じられました。
※大手銀行では手続きしだいで「旧姓」での口座開設や利用ができることもあるらしいです。
※パスポートでも渡航で必要になるなどの条件はありますが、旧姓を併記する制度はあります(ICチップには登録されないらしい)。

記事が長くなりましたが、
たびたび話題になる夫婦別姓問題ですが、世の中は少しずつ修正されつつあるようです。
その流れを知ってか知らずか、「法の不備」を突く訴訟になるとの朝日新聞の記事でしたが、「制度の不備」を補う動きは加速しているようです。
こうした動きの後押しになるような裁判になればと思いますが、どういった結果が出るのでしょうか。

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更新日時:2017/11/21